先に函館美術館「新・山本二三展」の記録をポストしましたが、函館2泊3日の旅の記録もしておかないと(自分のために)。なんといっても初めての北海道です。

函館山からの夜景、箱館山への坂
タイトルバックのは写真は函館山からの夜景です。個人的趣味で函館でもレトロ建築巡りを楽しみにしていたわけですが、当然ながら夜景と五稜郭は欠かせません(もちろん、おいしいものもね)。

函館
左:八幡坂の上から 港にはちょうど停泊していた「ダイアモンドプリンセス号」が
右:函館の夜景をあらためて

函館は夜景を見るのに登った函館山に向かってたくさんの坂がある街でもありました。名前が付けられている坂は19あるのだそうです。その中でおそらく一番有名なのが上の写真の「八幡坂」。多くのドラマやCMのロケ地となっている坂です。

ちなみに夜景を見に函館山に登る手段は函館山ロープウェイが一般的だと思うのですが、場合によってはタクシーの方がいいかもしれません。もちろんロープウェイに乗るというちょっとしたアトラクション感もあると思うのでお好みでよいのですが。ただ私たちが登った日はたくさんの人でロープウェイにすぐ乗れず、寒い中、かなりの時間待つことになっていたのと、私達3人の場合、往復+夕食をいただくお店まで行ってもらうことを考えると料金的にタクシーの方がお得な上にとても楽ちんだったんですよね。人が多くてロープウェイに乗れないから帰りはタクシーにと思っても展望台付近に「空車」のタクシーが来ることはない(できない)らしいので、あらかじめ昼間の間に予約しておいて往復するのがオススメです。夜景を見る日はホテルでもいいし赤れんが倉庫や五稜郭など観光地付近にタクシー乗り場があるのでタクシーのご予約を。

五稜郭
五稜郭は江戸時代末期に江戸幕府が蝦夷地の箱館(当時は「函」ではなく「箱」だった)郊外に築造した稜堡式(銃や大砲に備え、迎撃の死角をなくすために5つの角の先に砲台や兵を配備)の城郭です。私としては金カムの最終決戦の舞台だわ〜とときめいたりしたわけですが、隣接した五稜郭タワーに登ると上から全景を見ることができるので、もちろん登って上から見てきました。もう、見事な星形です。

五稜郭のほぼ中央には近年、復元された箱館奉行所があります。タワーから五稜郭を観た後、五稜郭に入り、復元された箱館奉行所も見学してきました。
そうそう、奉行所内の展示に世界の稜堡式城郭(星形要塞)が紹介されていておもしろかったです。Google Earthで見たら絶対楽しいやつ(どなたか存じ上げませんが既にGoogleマイマップで作られていたのでリンクしておきます)。

五稜郭
左:五稜郭タワーから撮った五稜郭
右:展望台がある五稜郭タワー

強風と大火の歴史とレトロ建築
滞在した3日間、天気に恵まれたおかげで夜景も五稜郭も晴れた状態で見ることができました。初日の夜に夜景を見に行ったのですが、前日は霧で見えなかったらしいのでラッキーだったんでしょうね。ただ恵まれすぎたのか、日中は最高気温が23℃程度なのに日射しが強く体感的には30℃ぐらいに感じるぐらい暑かったんですが、逆に夜の函館山は薄手の羽織り物を着たぐらいではガクガク震えるぐらい寒くて…という服装のチョイスが難しい3日間でもありました。それから晴れていても台風かっていうぐらい風が強いときがあって、このときが特別かと思っていたんですけど、後でタクシーの運転手さんに聞いたら海が近い影響で強風が吹くことがあって、そのせいで過去に何度も大火が起きたんだそうです(明治以降、昭和9年までに1000戸以上焼失した火災が10回も起きている)。

函館はレトロ建築がたくさん残っている街という認識はあったのですが、火災の歴史は知らなかったのでレトロ建築アカウントのコメント用に調べていくうち、なんともやりきれない気持ちになったり。ただ、そんな歴史を乗り越え、今に残る街並みや風景が私はとても好きになったのでした。そのレトロ建築ですが、函館に着いて、まずホテルに荷物を置きにいき、すぐに街に出てしばらく歩いたのですが、いわゆる繁華街から少しだけ外れていたせいか、はじめは素敵な建物が並んでるわ〜といちいちスマホで撮ってたんですけど、これはいちいち撮ってたら先に進めないとあきらめるぐらい普通にレトロ建築が立ち並んでいる街でした。

せっかく調べたのでついでに書いておきますが、函館(当時は箱館)は江戸幕府が1854年(安政元年)にペリーと日米和親条約を締結調印し、下田とともに開港したこともあって、外国船が盛んに入港するようになり、各国の領事館や教会、商館なども建てられ、洋館が並ぶ素敵な風景ができていったわけです。最初は木造で建てられ、それが大火によって焼失してたことで早い段階で火災に強い耐火建築が推奨され(明治12年の耐火の後はレンガ建築、大正10年の耐火の後は鉄筋コンクリート)、現在もその時代の建物が多く残っているんですね。

ということでインスタのレトロ建築アカウントにたくさんポストしましたが、こちらでも少し素敵な建物を一部紹介。函館聖ヨハネ教会だけ他と比べると新しいですが、これも初代は1878年に建てられたのが何度も大火で焼失し、現在の聖堂は4代目だそうです。

函館名建築
左上:旧函館区公会堂(重要文化財)1910年竣工
右上:金森赤レンガ倉庫 1909年竣工
左下:カトリック元町教会(フランス)1859年竣工(1924年に再建、増築)
中下:函館ハリストス正教会(ロシア)1916年竣工
右下:函館聖ヨハネ教会(イギリス) 1979年竣工

ガラス体験
伝統的建造物に指定されている元町ガラス工房でガラスのアクセサーを作る体験もしてきました。私はピアスを作成。同じメンツで金沢に行った際にクタニシールのワークショップや加賀友禅の染め体験をしてきたのですが、それが楽しかったので今回も何かやりたいなと事前に予約していたんです。どんなデザインで作るかを考えるのに少し時間がかかりますが、作成自体は小学生でもサクッとできる比較的簡単なものです。形が決まったら、接着剤で仮止めして、あとはスタッフの方にお任せ(火で表面を溶かして付ける)。数十分待つので、この間にランチを済ませて取りに行きました(郵送もしてもらえます)。いやぁ、旅先で何か作る体験をしてくるのはやっぱりいいですね。ちなみに友2人はたくさんのパーツを使ってちゃんとデザインしてる中、すぐに食べ物をモチーフにと思っちゃう私。どれだけ食いしん坊なのか。

函館ガラス体験
左から:元町ガラス工房さん
2枚目:こんなカラフルなガラスを組み合わせて作ります
3枚目:四角い卵焼き器で焼いた目玉焼きと空豆をイメージ
4枚目:ランチを食べている間に火を入れてもらって出来上がり

美味しい函館
そして! もちろん美味しいものも食べてきましたよ。
函館ってイカが有名なんですね。あちこちでイカのキャラクターのお土産物を見ました(一番多かったのはシマエナガですけど)。海鮮居酒屋の海がきではそんなイカはもちろん、初めて聞いた名前(あぶらこ、そい?)の地魚や刺身では初めていただく「ほっけ」など。あ、こちらではジャガバタにイカの塩辛という北海道スタンダードメニューもいただきました。
※あぶらこ=アイナメ、そい=メバルの仲間だそうです。

それから、せっかく北海道に来たんだもん、ジンギスカンも行きたいよねってことで「ジンギスカン羊羊亭」というお店に行ったんですが、これ「ようようてい」ではなくて「めぇめぇてい」って読むんですって。かわいい…。

有名店かつ登録有形文化財でもある「五島軒旧北海道庁函館支庁庁舎」がカフェとして利用されていたので、そのカフェ名物の「ステーキピラフ」をいただいたり、たまたま見つけたレトロ建築を改修されたレストランのランチしたり、たまたま入ったカフェのスイーツも含めて、ぜ〜んぶ、ぜ〜んぶ美味しかったです。函館ご飯&スイーツ、全く外れなしでした。

函館で食べたもの
左:「海がき」イカ
中:「ジンギスカン羊羊亭」ジンギスカン
右:「五島軒」知床鶏もも肉のコンフィカレー

レトロな一棟貸しホテル
宿泊したホテルについても。今回、宿泊したのは「函館クラシックホテルズ藍」。築100年以上の和洋折衷様式古民家をリベーションされた一棟貸しホテルです。スタッフの方はチェックインの時に来られて説明を受けただけで、滞在時は無人です(もちろん連絡は取れます)。
2階の寝室はツインが2室、ダブルが2室で合計4組8人まで宿泊が可能。1階には広いリビングとダイニングキッチン、サウナ付きのお風呂があります。もちろん、Wi-Fi完備。一棟貸しとして価格が決まっているので、それを人数で割ると非常に安価なのも魅力です。

こちらは宿泊するホテルを探していて、レトロな上に(これは私の好み)、寝室4部屋あるから1人1部屋使えるし、大人女子(?)3人組にピッタリじゃーんとこちらに決めました。もう大正解。友達同士で行くならまたここに泊まりたいです。

函館クラシックホテルズ藍
左:函館クラシックホテルズ藍 外観 2階が洋風、1階が和風の典型的な函館の和洋折衷の建物
中:いい感じの階段の上から(右下に玄関、左下にリビングが見えています)
右:リビング

ホテルとは関係ないんですが、ホテルのリビングでテレビをつけてたら「華丸・大吉のなんしようと?」という福岡ローカルの番組が始まって、「は? ここはどこ?」ってなりました。北海道でやってるんですね。福岡県内のいろんな町でゆる〜くロケしてる番組なんですけど、北海道っていうか福岡以外の方が見て楽しいのかしら。不思議。

ということで、函館の記録でした。また来年も楽しい旅ができますように。