8月31日、天神イムズ閉館。
寂しい! なんでしょう。天神コアやビブレ、福ビルがなくなったときには感じなかったこの気持ち。単純に思い出の差なのか、建築物として好きだったのが解体されてしまう寂しさなのか、築32年であまりに早過ぎるよ…なのか。

イムズ
左:最後の吹き抜け
中上・左上:外観と他の天神の施設へのメッセージ懸垂幕
右下:イムズ12階のカフェから見た天神コア、ビブレ、福ビル跡

イムズはいつもキラキラ(外壁のキラキラ金色タイルは有田焼)、ワクワクの場所でした。イムズが開館したとき、うわぁ、福岡に都会が来たぁと思いました。いや、私が育ったところ(福岡県内)に比べたら天神はずっと前から都会でしたけど、あのドーンと突き抜けた吹き抜けと回るエスカレーターと近未来的なデザインのエレベーターのインパクトときたら!モノ消費からコト消費への変換も見ました。もちろん服とか雑貨とかモノも買いましたけど。
個人的に特に思い入れがあったのは美術館とはまた違うアートやデザインの世界を見せてくれたギャラリー「アルティアム」でしょうか。
就職で福岡を離れていたときに帰省したらなぜか必ず食べていた開館当時からある「TOKIO」のフルーツ盛り合わせ。そして早くに閉店してしまったけど、パリに本店がある「ジェラール・ミュロ」のケーキおいしかったな。
P2(Pet-Plant)で観葉植物も買いました。ペットの方でもときどき「のこ」や「レオ」(オットの実家のワンコ)へのお土産を買ったりしましたね。
気軽に献血できる献血ルームにも行きました(西通り、ジュンク堂仮店舗の下にオープンしますよ)。

天神の商業施設からイムズへのメッセージ(ダジャレ)とイムズからの返信メッセージ(ダジャレ返し)の懸垂幕もグッと来ました。
そして最後に思いがけず「ギンギラ太陽’s」のイムズホールでの公演「おしまイムズ、吹き抜けよ永遠に!」を観ることもできました(私信:ありがとうございました!)。いやぁ、楽しかった。ホロリとするところもありましたが基本的に笑って終わるところもよかったです。

三菱地所さん、こんなに愛されたビルを取り壊すんだから、イムズ以上にときめくビルを造ってくれないとホント許さないわよ。

アルティアムの最後の(最後から2番目も)展示の記録もしておきます。

●アンリアレイジ展覧会「AとZ」
ファッションブランド・アンリアレイジの軌跡を「言葉と服」で辿る展覧会。最初に会場に入ったときは「はぁ?」と声出そうになりました。ぱっと見、文字しか見えなかったんです。デザイナー森永邦彦氏の思考が言葉となりコンセプトになり…そんなテキストがただただ羅列してるだけに見えた展示ですが、進んでいくとテキストの隙間というか奥にその思考を元にできた服が展示してある仕掛けでした。それがわかったところで「はぁ?」が「わお!」に切り変わりました。しかし、こんなに観る(読む?)のに時間がかかった展示はなかったかも。でも楽しかったです。思わずショップでシャツを買いそうになりました(買うならちゃんと選んで買いたい)。その後、たまたま「デザインあ」に森永邦彦氏が出演されてたのを見て、あ、この方がと情報補完できました。

アンリアレイジ展覧会

●アルティアム最後の展覧会
絶望を覆すことができない恋を正義とせよ、きみが、死んでも残る花。
過去にアルティアムで展示されたことがある作家7名(塩田千春、淺井裕介、潘逸舟、津田直、山内光枝、鹿児島睦、最果タヒ)のグループ展です。いわゆる最後の記念展示ですが、特に塩田千春さんの作品が見たかったので見られてよかったです。
そして思わずショップで鹿児島睦さんのケーキ皿を購入しました。以前、鹿児島睦さんの展示があったときにも器がが売られていたと思うんですが、そのときは踏みとどまったんですけどね。今回は最後の展示だしというテンションでつい。

左:鹿児島睦
中:最果タヒ
右:塩田千春

イムズはおわる。イズムはつづく。
どうか天神がワクワクできる街であり続けますように。