今月初めの連休、京都モダン建築祭にあわせて大阪、奈良、京都の美術館、博物館も巡ってきました。まとめて記録しておきます。
建物を見学したくて行ってきたところもありますが、今回、巡ってきたのは以下の3つ。
- 大阪中之島美術館「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展(2025/10/4〜2026/1/4)」
- 奈良国立博物館「正倉院展(2025/10/25〜11/10)」
- 堂本印象美術館「The Great DOMOTO ―堂本印象の家族たち―(2025/10/9〜12/21)」
●大阪中之島美術館
新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展(2025/10/4〜2026/1/4)
タイトルに「新時代のヴィーナス!」とあるようにアール・デコと女性をテーマにした展覧会です。100年なのは、ちょうど100年前にパリで「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」、通称アール・デコ博が開催されたから。
(そういえば東京都庭園美術館の旧朝香宮邸がアール・デコなのは朝香宮ご夫妻がアール・デコ博に訪れたことが原点になったからでした)アール・デコデザインが好きなのでこの展覧会は行っておきたかったんですが、ちょうど関西に行くタイミングで開催されていてラッキーでした。撮影もありがたいことに一部を除いてほぼOK。たくさん撮影してきました。
女性がテーマということもあって、女性が描かれたヨーロッパのグラフィックデザイン、ジュエリー、香水瓶、ドレスなど当時を象徴するものが以下の6章に分けて展示されています。
第1章 アール・デコ博とデコ・スタイル
第2章 スピードの時代と女性
第3章 ヴィーナスたちのファッション
第4章 ヴィーナスたちの仕事とレジャー
第5章 最高のヴィーナス、それは私!
第6章 ヴィーナスたちの憧れ!ジュエリーと摩天楼アール・デコの時代、女性が社会進出を果たし経済的に自立した女性達が自動車に乗り、ゴルフ、スキー、海水浴、乗馬、テニス、スケートなどを楽しんだことが当時のグラフィックデザインに反映されているんですが、なんというかおしゃれで古さを感じないんですよね。いやレトロではあるんですが、そのまま使えるんじゃないかしら。私がレトロ好きだからかな。
私の好きがいっぱいのよき展示でした。
図録もほしかったんですが、当日は大雨で重い大きなサイズの書籍を持ち歩くのは無理だと思い断念。オンラインショップで購入できないかなと見てみたんですが販売してないんですよね…。
左上:カール・モース「フィルンのアイスクリーム」1922年
中上:ルネ・ラリック 香水瓶、パウダーボックス「ダリア」1931年
後ろにドレスが展示されてます
右:ズィグ(ルイ・ゴーダン)「カジノ・ド・パリ、ミスタンゲット」1931年
左下:ヒストリックカー BMW 315/1「ロードスター」1935年
中下:雑誌「VOGUE」1928年5月1日号
●奈良国立博物館
正倉院展(2025/10/25〜11/10)
初めて奈良国立博物館に行きました。ずっと片山東熊設計の本館と併設の重要文化財に指定されている仏教美術資料研究センターを見学したかったのですが、ちょうど毎年秋に開催されている正倉院展期間中だったので、時間指定の予約をしておいたんです。
正倉院、なめてました。時間指定なのに、もう、すんごい人、人、人。正倉院展って毎年開催されているのにすごいですね。
会場は本館ではなく、吉村順三設計の新館で、こちらもちゃんと見学したかったんですが会場内が撮影NGなのもあるけど、とにかく人、人、人で新館自体の撮影もあきらめました。展示品は並んでいればちゃんと観ることができます。やっぱりポスターなどのキービジュアルに使用してある紺色のガラスの「瑠璃杯(るりのつき)」は美しかったです。照明もよかったな。
そうそう、あの蘭奢待(正式名称は黄熟香)も展示されていました。ケースに入れられていたので香りはわかりませんでしたが、足利義政、織田信長、明治天皇が切り取った跡に付箋が付けられていて、あー、大河ドラマ「麒麟がくる」で信長が正親町天皇の許可を得て切り取るシーンがあったなと思い出しました。それにしてもこんなに丁重に扱われた香木っていったいどんな香りなんでしょう。気になりますね。
左:奈良国立博物館 片山東熊設計の本館
中:瑠璃杯が使用されたビジュアル
右:瑠璃杯グッズ 手ぬぐいと腹巻き(商品名は「ならまき」
●京都府立堂本印象美術館
The Great DOMOTO ―堂本印象の家族たち―(2025/10/9〜12/21)
京都モダン建築祭のパスポート公開で見学できたので行ってきたんですが行けてよかったです。
「堂本印象」は大正から昭和にかけ京都で活躍した日本画家。
美術館は堂本印象自身の作品を展示するために1966年に「堂本美術館」として設立した美術館で、1991年に建物と作品が京都府へ寄贈され、翌年「京都府立堂本印象美術館」として開館しています。
恥ずかしながら京都モダン建築祭に行くようになるまで堂本印象さんを存じ上げなかったのですが芸術が爆発してました。特に印象自らがデザインされた建物。この建築が目当てで行ったのですが、外壁の装飾のインパクトがすごくて、しばらく周囲を行ったり来たりしてました。印象がヨーロッパで見学してきた宮殿や邸宅を用いた美術館を参考に、独自の美の可能性を追求してデザインされたんだそうです。もちろん、展示もしっかり観てきましたよ。堂本印象の家族をテーマにした展示だったので印象が描いた家族をモデルにした絵が展示してあるのかなと思ったら、いや、もちろんそれもあったのですが、家族みんな芸術家なの?というぐらいの華麗なる芸術一族で驚きました。長兄の寒星は古典芸能評論家、次兄の漆軒は漆芸家、義弟には日本画家の森守明、三輪晁勢ら日本画家、甥に洋画家の堂本尚郎などがいらして、その親族のみなさんの作品も展示されていました。

左:堂本印象美術館 全景
中:外壁の装飾 誰かの顔が
右:堂本印象「或る家族」1949年
実は建築目当てで今年の春にリニューアルオープンした「大阪府立美術館」にも行こうと計画していて、事前に展示は何やってるのかなぁと調べてたら万博開催記念の特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」を開催するということだったので、これは行かねばとオンラインチケットを取ろうとしたんです。
発売日の販売開始時刻(午前10時)にあわせてアクセスしたらサーバーダウン中。少し時間をあけてもずっとダウンしてるし。結局、午後に繋がったときには既に行ける日程分は完売してました。観たい人は万博のイタリア館にに行ったんじゃないかと勝手に思ってたけどイタリア館が人気過ぎてなかなか入れなかったんですね。並ぶのが苦手で万博に行こうとは思わなかったので、こんなことになると想像できていませんでした。
ということで大阪府立美術館は別の機会に。京都モダン建築祭と大阪、奈良のモダン建築についてはインスタのレトロ建築アカウントに投稿する予定です。
実は関西から戻ってiPhoneの写真を確認したら1700枚ぐらいあって途方に暮れまして、しばらく手つかずだったんですが、そろそろ整理しないと忘れてしまいそうなのでボチボチやってます。さて、明日から師走、12月です。2025年も残り1ヶ月なんて早すぎる。体感的にはまだ10月ぐらいです。
でもさすが年末、お仕事もちょっとバタバタしてます。
体調崩さないよう、気をつけて行きましょう。