長沢芦雪展
九州国立博物館で3/31まで開催されていた特別展「生誕270年 長沢芦雪 ― 若冲、応挙につづく天才画家(2024/2/6〜3/31)」に滑り込みで行ってきました。
前後期で展示替えがあったので両方行ければよかったんですけど後期のみになっちゃいました。でも行けてよかったです。

長沢芦雪は18世紀の後半、京都で活躍した絵師。
なんと言っても架空の龍とかも含めて動物の絵が素敵なのです。そのあたりは師匠の円山応挙の影響もあるのでしょうが、なんですか、あのコロコロしたワンコたち! 「花鳥遊魚図鑑」の前でニマニマしながら脳内できゃわわってなってました(応挙のワンコもすごく可愛い)。
後期のみの展示だった「牛図」も迫力たっぷり。
「群猿図」のお猿さんも一見、単純な筆遣いっぽいのに生きているような毛並みなんです。どうやったらこんな風に自在に筆を動かせるのか、感心するばかりでした。
「蹲る虎図」はまるで大きな猫。迫力はあるんだけど、尻尾を巻いていたりちょっとユーモラスです。
「子犬図屏風」「龍・虎図襖」も間近で観たかった…(前期展示のみ)。

他と異質だったのが3センチ四方に500人の羅漢が描かれた「方寸五百羅漢図」。拡大図ですごさがわかったけど、肉眼では小さすぎてさっぱり見えませんでした。どれだけ目がよくて器用だったんでしょう。

そうそう、伊藤若冲の「象と鯨図屏風」も観られてよかったです。若冲の絵って鶏とかリアルなものはものすごいリアルですが、この象よ。当時、本物の象を観察できるわけではないし、中国絵画とか何かの書物を参考にしているのかなと思いますが、全くリアルじゃないし、ゆるキャラっぽいんですよね。

前期分を観られなかったので図録を買ってきました。表紙の帯が可愛いワンコです。きゃわわ…
なお、会場内、写真NGだったのでそんなに写真がありません。

長沢芦雪展
左上:九州国立博物館
右上:会場出入り口の上部に「龍図襖」 手前にグッズコーナー
左下:九州国立博物館1階エントランスホールから
中下:図録 帯に「花鳥遊魚図鑑」のワンコたち
右下:図録内の「龍・虎図襖」の虎

さて、今月、行ってきたのは長沢芦雪展だけではありません。
年度末でバタバタだと思っていたけど、結構、活動してました。そんないろいろをまとめて。

 

楳図かずお大美術展
福岡三越の三越ギャラリーで開催された「楳図かずお大美術展 -マンがと芸術の大転換点(2024/3-2〜3/17)」。
楳図かずお作品全般ではなく、「漂流教室」「わたしは真悟」「14歳」の3作品に焦点が当てられた展示と「わたしは真悟」の続編となる新作の「ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館」の展示です。「ZOKU-SHINGO」はフルカラーの連作絵画101点。これが圧巻でした。

想像していた展示とちょっと違ったのですが(もっといろんな作品を紹介すると思ってました)、楳図かずお先生、あらためてすごいですね。「漂流教室」とか「14歳」とかは原作を読んでいて「まとこちゃん」も知っています(まことちゃんの展示は無し)。その独特で幻視的、そしてちょっと気持ち悪いビジュアルに印象を引っ張られるけど、今、あらためて観てみるとものすごく先験的な作品でした。

楳図かずお代美術展
こちらは一部を除いて撮影可でした

 

北九州工場夜景観賞定期クルーズ
「日本新三大夜景都市」全国第1位に選ばれた北九州市。皿倉山からの夜景がとても綺麗なんですが、ちょっと前から注目されているのが工場夜景。その工場夜景を船から見る夜景観賞定期クルーズに体験してきました。
小倉港を出て若戸大橋をくぐり洞海湾に入り、また小倉港に戻ってくるコースです。いやぁ、楽しかった! 赤い鉄骨感が大好きな若戸大橋も工場の灯りも綺麗でした。ただ、写真はダメでしたね…。夜景を船で動きながら撮るのは難しいだろうなとは思っていましたが、案の定、特にデジカメはブレブレで全滅。スマホの方も動画はまだ見られたけど静止画は厳しくて写真があまり残らなかったのが残念です。ブレが少なめな写真をまとめて。

北九州夜景観賞クルーズ
左上:小倉港近くの北九州国際会議場(磯崎新設計)
中上:日本製鉄 九州製鉄所
右:若戸大橋
左下:九州電力 小倉発電所

さよなら中洲大洋映画劇場
大洋映画劇場で「哀れなるものたち」を観てきました。
大洋映画劇場の老朽化による取り壊しのため3月31日での閉館が発表されたのが2023年9月1日。閉館までに何か映画を観に行かなくちゃと思っていたんですが、ギリギリになっちゃいました、
いやぁ、想像よりエログロでした。でも。とてもよかった。ときどき目を覆ってしまったシーンがあったんですが(グロ苦手)、建物とか背景とかも含めて映像がとても美しいんです。内容は詳しく触れませんが「哀れなるもの」の対象が始まりと終わりでガラッと印象が変わります。エマ・ストーン、すごかった。

そして中洲大洋映画劇場です。
開館したのは1946年(現在の建物は1956年に建てられたもの)。
今でこそシネコンがあちこちにでき、なかなか行くことはなくなりましたが、以前は映画といえば中洲大洋と福岡東映(2003年閉館)がある中洲でした。
レトロ建築好きとしては記録を残しておかねばと映画を観た後に外観も内部も撮影してInstagramのレトロ建築アカウントの方にポストしました(外観内部)。
この映画館がなくなってしまうがとても残念です。最近は行ってなかったのに勝手なこと言ってるのはわかってるんですけどね。

中洲大洋劇場

さて、明日から新年度。気持ち的にバタバタだった年度末をなんとか無事終えられました、いや、積み残したというか新年度に持ち越さなきゃいけなかったことが結構あるので終わってないかも。引き続きがんばります。

それにしても今年の桜は遅いですね。福岡の開花宣言は3/27。満開は4/5頃でしょうか。どうもちょうどいいときに雨予報がが続くみたいなので、お花見というか、桜写真を撮影できるかちょっと心配しています。撮影できますように。